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まちの一つひとつは、誰かがつくり様々な人の想いが積み重なってつくられてきたのだと、
緑道ワークスの活動を通じて気づいた学生たち。
緑道をつくってきた一人である旭川市土木部長熊谷好規さんにインタビューしてきました。
2019年11月12日
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ーご出身は旭川ですか?

生まれは旭川ですが、幼い時にすぐ父親の転勤で富良野、滝川、登別、室蘭など色々な場所に住んでいました。就職を機にまた旭川に戻ってきました。

ー旭川で働こうと思ったきっかけはなんですか?

富良野や滝川に住んでいた時には、大きな買い物の際は旭川に来ていました。「旭川って大きくてすごいまちだな」という気持ちが子供心にずっとあり、このまちに住めたらいいなという思いがありました。父が公務員で道路整備に関わる仕事をしていて、その背中を見て育ったので、自分もあこがれの街(まち)旭川で父と同じような仕事がしたいと思い、旭川市役所に就職しました。

 

旭川のどういったところに魅力を感じましたか

旭川は冬の雪景色や、夏には盆地らしい暑さがあり、自然豊かで四季がはっきりしています。また、病院も多く、食事をする場所や買物にも便利ですし、バスの便も良く、誰もが簡単に街に来ることができます。さらに災害も他の都市から見れば少なく、暮らすには最高の場所だと思っています。

 

熊谷部長が働く土木部について、6つの課の仕事の内容を教えてください。

・土木総務課:道路や橋、河川の整備計画の作成や、部の予算の管理を行う部署です。また、道路などの整備に関する市民の要望を受ける部署でもあります。

・土木建設課:道路や橋などを実際に設計し、建設する部署です。現在は新たなものを建設するより維持修繕しながら「長持ちさせる」といった工事が多くなっています。

・用地課   :道路などを整備する際に必要な土地を取得する部署です。

 

・土木管理課 :道路の管理や占用を許可する部署です。例えば、買物公園で食べマルシェなどのイベントを開催する際には、安全面を考慮した上で許可を出します。

 

・公園みどり課:旭川市内に400以上のある公園の管理や新たな公園の整備をする部署です。

・土木事業所 :道路・河川の維持や、大雨などの災害時に中心となり対応する部署です。また、冬の除排雪業務を担当します。

 

 土木部の仕事は、市民の皆さんの生活に密接に関わるインフラの整備・管理などを行う重要な部署です。皆さんの日常生活が円滑に進むよう、いわゆる「縁の下の力持ち」的な気持ちで仕事を行っています。

 

街(まちづくり)に対して、いつもどんな事を考えていますか?

道路や公園、橋など多くの方々が利用する施設の整備・管理を担当していますので、何よりも施設が安全で安心して利用してもらうことが重要です。さらに、少しでも利用しやすくなるよう利便性の向上も常に考えています。

 

――その後のインタビューで、大正橋の建設を担当され、橋の構造や工法を勉強されたことや、市役所の多くの部署を異動する中で「公園」や「道路」には重要な役割があると実感したとの話を伺いました。「公園」は市民の憩いの場であり、さらにイベントやスポーツ合宿も行われ、「道路」は通勤、通学、物流や観光ルートなど様々な役割があるなどの話を伺い、普段私たちが何気なく利用している道路や橋などの施設は、私たちの生活と密接に関わっていることを知り、まさに土木部の仕事は縁の下の力持ちだなと感じました。

 

市役所のお仕事(お立場)では、緑道にはどのように関わりを持っていますか?

今から10年ほど前に、総合政策部のまちづくり推進課という部署にいたのですが、買物公園に人を呼び込むために、中心市街地活性化基本計画を担当していました。その当時、注目していたのが「北彩都あさひかわ」というエリアが新しくできたことと、常磐公園という魅力的な公園があるということでした。「賑わいづくり」のために、「北彩都あさひかわ・買物公園・七条緑道・常磐公園」というルートをつなぐイメージを強く持って、人の流れをつくるための整備を行ったのが、七条緑道と関わりを持った最初のきっかけです。なお、計画をつくる担当は総合政策部でしたが、実際に整備するのは当時も土木部が担当していました。

 

私が緑道に関わりを持ったのが去年の夏に先輩から誘われたボランティアがきっかけです。はじめて緑道を訪れた時、「駅前と比べて賑やかな場所からちょっと離れて落ち着いた雰囲気だな」という印象だったのですが、熊谷部長は緑道にどういう印象があるのかお聞かせください。

さきほど「人の流れをつくるための整備」と言いましたが、七条緑道はただ通り抜けるだけではなくて、木陰に佇んで本を読んでもらうなど、動だけでなく静の空間としても魅力があると思っていました。札幌に出張した際に、札幌駅の北口の連続したスツール(椅子)に、多くの人が思い思いの場所に腰掛けて、本を読んだり、会話をしている光景を見たときに「これだ!」と思い、ぜひ七条緑道においても実現したいと思いました。道路を通り抜けるだけでなく、ここに座ってちょっと本を読もうかなとか、ここの木の下は居心地がいいかなと思って座って欲しい。静の空間として、皆さんの気持ちが安らぐ空間にもなって欲しいと思いました。

 

「10年後の緑道」(まちの姿)はどの様になっているといいなと思いますか?

旭川市役所の新庁舎は令和2年4月から着工して令和5年11月に完成する予定です。七条緑道の突き当たりに庁舎ができます。新庁舎は展望台もあるので、そこから七条緑道が眺望できます。新しい庁舎ができたら、今まで以上に七条緑道の印象や注目のされ方も違ってくると思います。

 

私の十年後は27歳です。まだ迷っているんですが仕事は介護士をやりたくて。どんな大人になりたいかというと、私のおばあちゃんのように辛くても苦しくても笑っていられる人になりたいと思っています。熊谷部長は十年後どのようになりたいと思っていますか。

色々な人と関わって今まで仕事をしてきましたが、将来的に自分がした仕事には誇りを持てるようにしたいと考えています。例えば「あのとき、こうしておけば…」と後悔のないように、一緒に仕事をする職場の仲間とコミュニケーションをしっかり取って、お互いにアドバイスできるものはアドバイスして……将来、お互いに「あの時はこういうことで苦労しましたね、でも、努力して良かったですね。」と言えるようになりたい。仕事も人間関係においても、全部振り返ったときに良い思い出になるように。だから、今はあとで後悔しないように職場の仲間と協力して、努力することは努力して何事にも前向きに取り組んでいきたいです。

 

――私もこれから悔いのないように、なりたい自分になるために頑張りたいなって思えました!

 

旭川市の人口がどんどん減っていく中で、これから賑わいをつくるためにどんなことが必要だと思われますか。やりたいことはなんですか?

旭川の強みをしっかりPRしていくことが必要だと思っています。例えば企業誘致を行うことで、若い人が旭川にたくさん就職してもらえるような環境づくりも重要と感じています。企業誘致の場合は、「災害のない安心な街」、「水が豊富」、「気象状況の強み」などもアピールできます。また、賑わいづくりには、多くの観光客に来てもらうことも大切です。観光客に対して、旭川空港の就航率が99%を超えていることもアピールできます。さらに、多くの人に旭川へ住んでもらうための取り組みも重要です。賑わいづくりには、色々な手法が考えられます。

今は、財政も厳しいことから、安全面を考慮して修繕等の取り組みも多く、次から次へと新しい施設をつくることはできないですが、既存の施設をもっと活用できる方法を、多くの市民の皆さんと知恵を出し合って意見交換していきたいと思っています。「この場所でこういうことをしたい。」「ここにベンチがあったら一休みできるのに・・・」とかですね。こうした話し合いを一緒に進めることでも、賑わいづくりが可能と考えています。ヒントはいくらでもあると思っています。

土木部の職員には「何事にも常に前向きな気持ちで仕事をしよう。」と話しています。土木部の仕事は目立たない部分も多いですが、皆さんの生活と最も密接に関わっており、様々な工夫でまちの魅力を大いに高めることが可能であると考えています。

 

ーーインタビューを終えて……

1時間の予定を1時間半以上お話いただき、今回のインタビューで知った事も多く、驚きました。私たちの質問に優しく答えてくださりありがとうございました!

 

*インタビュイー   旭川市土木部長 熊谷 好規さん

*インタビュアー   旭川明成高等学校インターアクト部

大條 ありさ(3年)福元 空(2年)

中川 丞未(2年)富居紗弥佳(2年)

旭川大学経済学部
佐藤 知尚(3年)
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